Excel↔SRT字幕ファイル変換Excelマクロ(映像翻訳学習者向け )
映像翻訳(字幕)学習用に作成した、“Excel↔SRT字幕ファイル変換マクロ”をご紹介します。
(ダウンロード先リンクはこちら)
2018/03/30 SRTからExcelに変換する際にエラーが出る不具合がありましたが、Ver. 1.2で修正しました。
2018/04/09 WindowsのVLCプレイヤーで字幕が文字化けする場合の対処法を「活用法1」に追記しました。
- このツールでできること
- 効率よく字幕翻訳を学習したい人に最適
- 活用法1.自分の作った字幕を動画再生ソフトで表示させよう
- 活用法2.学習中でも字幕制作ソフトを使おう
- 仕様・ 動作環境について
- 注意事項・免責事項
- ダウンロード
- 使用方法
- 更新履歴
このツールでできること
効率よく字幕翻訳を学習したい人に最適
映像翻訳の学校や通信講座では、ExcelファイルやWordファイルで課題映像の字幕データを作成することがあります。
しかし、ExcelやWordでいくら作業しても、実際の映像上に字幕が表示された時のイメージはつかみにくいものです。筆者も映像翻訳を学んだ際、自分ではうまくできたと思った字幕も、実際に映像に乗せて見るとなんだかイマイチ、ということが頻繁にあり、学習効率は決して良いとは言えませんでした。どうせなら、学習初期から実際の映像で自分の字幕がどのように映るかを確認しながら学習したいですね。
そこで、Excelに入力した字幕データを、SubRip Text(.srt)形式の字幕データに変換するツールをExcelマクロで作成しました。
字幕ファイル (.srt) の書き方 - カタカタ万歳! パソコン・デジモノ備忘録
※なお、本ツールは文字色や装飾などのスタイル情報はサポートしていません。
このツールで作成したSRT形式の字幕データを映像翻訳の学習に活用する方法は主に2通りあります。
活用法1.自分の作った字幕を動画再生ソフトで表示させよう
多くの動画再生ソフト(フリーソフト含む)がこのSRT形式の字幕データに対応しています。自分で作成した字幕を表示させることで、Excel上だけでは分かりづらかった「文字は読みきれるか、読みやすいか」「前後のつながりが分かるか」「映像や音楽と合っているか」「キャラクターと表現が合っているか」「ストーリーの流れに合っているか」などが、直感的に分かりやすくなります。
字幕を表示できる動画再生ソフトは数多くありますが、フリーソフトで代表的なものに以下のソフトがあります。筆者は十分な機能がありシンプルなVLCを愛用しています。
追記:VLCで文字化けする場合の対処
VLCプレイヤーで字幕ファイルを再生すると文字化けすることがありますが、字幕ファイルに問題はなく、VLCプレイヤーの字幕フォント設定が原因の場合があります。
Windowsの場合、UIフォントでないと文字化けするようです。MSゴシック・游ゴシック・メイリオなどで文字化けする場合でも、MS UI Gothic、Yu Gothic UI、Meiryo UIなどは正しく表示される場合がありますので、試してみてください。
活用法2.学習中でも字幕制作ソフトを使おう
プロの映像翻訳者であればSSTなどの字幕制作ソフトを使用して仕事をするのが一般的です。学習中の身といえど、慣れておくためにも早いうちから専用ソフトを使って作業したいですよね。しかし、こういったソフトはとても高価なので、学習中の身ではなかなか手が出ません。
そこで、字幕制作ソフトの中でも無料体験版のある“Babel”を学習に活用することをお勧めします。
字幕制作ソフトBabel 体験版(フリーソフト)とは? - 株式会社フェイス
体験版なので機能制限はありますが、スポッティング(ハコ切りとも言う。字幕の表示タイミングを決めること)や字幕入力の基本的な機能は使用でき、学習用には十分です。これを使わない手はありません。
機能制限の主な点として、「プロジェクトの保存」ができません。そこで、SRT形式の字幕ファイルの出番です。この体験版で唯一エクスポート(保存)できるのが、SRT形式の字幕データなのです。作業をしてSRT形式でエクスポートしておけば、また次に読み込んで字幕制作を続けることができます。
ただし、文字色、縦書き、斜体、ルビなどは、ソフト上で作成する機能は使えるものの、残念ながらエクスポートはできません。また、プロジェクトの保存ができないため、使用するたびに画像や字幕ファイルを読み込んだり、字幕ソフトを使う際に必ず最初にやるフレームレートの設定を毎回やらなければいけないという手間はかかります。
このような機能制限はあるものの、自分の入力した字幕が実際の映像に瞬時に反映されて確認できるので、作業効率(学習効率)という点でメリットは計り知れません。
今回作成したツールには、SRTファイルをExcel形式に戻す機能もあります。これを使えば、Babelで作った字幕データをExcelファイルやWordファイルにコピペすることも容易なので、映像翻訳講座の提出用原稿を作成する際に便利です。
※Wordを使用して字幕データを作る場合、Excelファイルを対象とした本ツールは直接使用できないため、工夫が必要です。IN・OUTの時間(字幕の表示タイミング)もWordで書いてある場合は、Excelにコピペすることで本ツールを使用できます。IN・OUTの時間がなく字幕のテキストだけをWordで作成している場合は、まずBabelでスポッティングしたSRTファイルをまず作り、本ツールでExcelファイルに変換することでIN・OUT時間が入ったExcelファイルができますので、そこにWordから字幕テキストをコピペする方法をおすすめします。
ただし、Babelでは、ハコ切りしただけで字幕テキストが入っていない「空字幕」はエクスポートできません。スペース1つでも、「あ」でもいいので、各ハコに何らかの文字を入れておいてください。
Babelを使うか、他のソフトを使うか
単に字幕をリアルタイムで映像に合わせながら作業したい、という目的だけであれば、"Subtitle Workshop"や"Subtitle Edit"などの高機能なフリーソフトがたくさんあります。ファイルの保存もできるので、Babel無料版より使いやすい面もあります。趣味でやっている方や、自分の動画に字幕をつけたいだけであれば、こういったソフトの方が使いやすいかもしれません。
しかし、プロを目指して映像翻訳を学んでいる方であれば、ハコ切りの作業はBabelの方がやりやすいですし、プロが使う実質上の業界標準であるSSTに画面構成や操作性が似ているBabelに慣れておく方がよいと思います。
無料で使える字幕編集ソフト「Subtitle Edit」のセットアップ方法 - HARUSAME blog
Subtitle Workshop : 56種の字幕フォーマットに対応するリアルタイム字幕編集ソフト | フリーソフトコミュ
仕様・ 動作環境について
- 本ツールは、Microsoft Excelのアドイン(Excelに機能を追加するツール的なもの)です。当然ながら、Excelをお持ちでなければ動作しません。アドインの概要や導入方法は以下のサイトやExcelヘルプを参考にしてください。
※手っ取り早く使いたい方は、アドインの設定をしなくてもダブルクリックで開いて使うこともできます。
アドインとは【Excel・エクセル】
- 本ツールを作成した環境は、Windows 10・Microsoft Excel 2010です。違う環境でのテストは行っていません。
WindowsやExcelの他のバージョンで動作するか、Macで動作するかは、申し訳ありませんが把握できておりません。
お使いになった方で、「こういう環境で動作した(しなかった)」というコメントをいただければ他の方の参考になりますので、情報をお寄せください。
注意事項・免責事項
- 本ツールの動作・不具合で生じた損害等には責任を負いません。元データは必ずバックアップを取るなど、使用者個人の責任において使用してください。
- あくまで筆者が個人的に使用するために作ったツールという位置付けです。不具合の情報があれば、可能な限り修正したいと考えていますが、必ず対応できるとお約束はできません。また商用ソフトウェアのようなサポートは提供できません。ご質問には可能な限りお答えしたいと考えていますが、日数がかかる場合や回答できない場合もありますのでご了承ください。
- 本ツールの公開は予告なく中止する場合があります。
- 改変や無断での再頒布はご遠慮ください。
- “30Fr DF(ドロップフレーム)” は、厳密には0,10,20,30,40,50分を除く毎分最初の2フレームが落ちる決まりですが、本ツールでは簡易的に全体を29.97fpsで計算しています。厳密に考えればタイミングに細かい誤差が出る可能性がありますが、あくまで簡易的な学習用ツールとして割り切って使用してください。
【参考】ファイルベース時代に学ぶ ビデオ技術(基礎編)第4回:タイムコードの概要と使用法 | ビデオ α
ダウンロード
→ダウンロードはこちら [字幕ツール.xlam]Ver1.2
使用方法
使用方法の解説は、ツールの中の「使い方」というボタンを押すと表示されます。
ただ、大した機能ではないので、開けば直感的に使えると思います。
質問等あればコメントで送ってください(ただし免責事項のとおり、すぐにお答えできないかもしれませんのでご了承ください)。
更新履歴
バグ修正、機能追加等あれば随時更新します。
- 2017/7/29 Ver 1.0 公開
- 2017/8/10 Ver 1.1 使い方の画面でDFの説明に誤りがあったため修正
- 2018/3/30 Ver 1.2 SRT形式からExcelへの変換時に出ていたエラーを修正
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