LogoVista辞典ブラウザでEPWING辞書を使う実験

急いで書いた備忘録なので、殴り書き&画像なしですがご容赦を。 

最近のPC辞書事情

世の中なんでもスマホタブレット一辺倒になり、辞書も例外ではありません。PCで辞書を使おうと思ったら、LogoVistaが残された唯一の選択肢になりつつあります。

www.logovista.co.jp

 

過去のEPWING形式の辞書を所有している人にとっては、LogoVistaを導入することで使う辞書ブラウザが2つになってしまい、作業効率は落ちるし、管理もわずらわしくなります。

これまでは、LogophileやEBWin4など、LogoVista形式が読める汎用辞書ブラウザを使うことでブラウザの一元化が可能でした。ところが、ここ最近LogoVistaが出す辞書は暗号化?がされていて、ついに専用ブラウザでしか使えなくなってしまいました。

matome.naver.jp  


Logophile

EBWin4

辞書ブラウザを2つ使い分けることが面倒でない人はそれでよいのですが、私は使うソフトはなるべく減らしたいので、回避策を探しました。

そこで気付いたのが、LogoVista付属の専用ブラウザにも、EPWING形式の辞書を読み込む機能が一応ついていることです。ところが、CD-ROMの辞書を入れて使うことを前提にしており、HDD(SSD)に移したデータは読めません。なんとかPCに入れたEPWINGのデータを使えないかと、

EPWING辞書データを入れたHDD(SSD)を、仮想のCDドライブとして使えるように試した方法 

 をメモしておきます。 

最初にお読みください:結果は・・・失敗_| ̄|○

「読んで損した!」と言われないように、結論を先に書いておきます(笑)

以下で説明する方法を試した結果、読み込みには成功したものの、辞書によっては表示が乱れてしまい、実用レベルにはもう一歩、という感じでした。 

私の持っているデータでは、例えば「ジーニアス英和大辞典」は見出し語のみ表示されて本文が表示されませんでした。「リーダーズ第3版」は、多少レイアウトがおかしい部分がありますが、ざっと見る限りでは「まあ使えなくはないかな…」といった印象です(精査はしていません)。 

   ただ、元のデータに問題があった可能性も否定できません。私はLogoVistaのデータをdessedというツールでEPWING形式に変換したものしか持っていないので、それが原因かもしれません。正規にEPWING版として売られているCDから抜いたデータで試してみたいところですが、あいにく私はCD-ROM版の辞書を持っていないので確認できないのです。 

もう1つの大きな問題として、LogoVistaのブラウザではEPWING辞書が追加できたとしても、串刺し検索ができないことが分かりました。串刺しするための辞書グループを作る段階で、EPWING辞書は選択肢に出てきません。CD版EPWING辞書を使えるといっても、やはりあくまでも「おまけ機能」のようです。

 とりあえず読み込む方法を試しただけなので、表示不具合の解消方法は研究すれば見つかるかもしれません・・・が、串刺し検索ができないと判明した時点で私のやる気はゼロになり、これ以上追究はしません、ごめんなさいm(_ _)m

試してみようという奇特な方のために方法の解説

 LogoVistaの専用ブラウザEPWINGのデータを読むには、データがCD-ROMに入っている必要があります。EPWINGデータをCD-ROMに焼けば使えますが、手間・読み込みスピードの点で現実的ではありません。そこで、HDD(SSD)にEPWINGのデータを入れて、「仮想CD-ROMドライブとしてマウントして使う」ことで可能にします。

 

  ざっくりとした手順。  

 

  • 手順1 既存のEPWINGの辞書データをISOイメージに変換する。
  • 手順2 ISOイメージを仮想ドライブとしてマウントする。
  • 手順3 LogoVista辞典ブラウザでEPWING辞書として登録する。

 

 以上。やることは簡単です。細かいことはググればすぐ出てきます。 

 

ISOイメージ - Wikipedia

仮想ドライブとは?13インチ以下のノートパソコンには必見! – パソコンの問題を改善

 

 手順1は、フリーのISOイメージ作成ソフトFree ISO Creatorを使いました。他にも類似ソフトが有料・無料問わずたくさんあるので、何でもいいと思います。要は、CDにデータを焼き込むための「ISOイメージ」というものを作れるソフトなら何でもいいです。 

注意点としては、CATALOGSファイルがルート直下にくるように(CD-ROMだとしたら開いて最初に見える階層にくるように)イメージを作ることです。

 

  手順2は、Windows 10であればびっくりするほど簡単で、生成されたISOイメージファイルを右クリックして「マウントする」を選択すればおしまいです(あるいはISOイメージファイルを選択するとエクスプローラのリボンに表示されるディスクイメージツールから「管理」>「マウント」を選択)。 

yakudate.com 

マウントすると、PC内にあたかも新しいCD-ROMドライブが出現したかのように、新しいドライブ文字が割り当てられたドライブが出現します(ちなみにマウントを解除するには「取り出し」を選択)。

Windows 8以降ならこの簡単な方法が使えるらしいですが、Win8は所有していないので分かりません。また、Win10との細かい操作の違いは分かりません。 

 

Win8より前のWindowsだと、「仮想ドライブ」「ISOイメージ」などのキーワードで引っかかるこういうソフトなんかでできるようですが、私はWin 10しか所有していないので試していません。
 

手順3は、LogoVista専用ブラウザの辞典メニューから「CD書籍登録」を選択(またはCDアイコンをクリック)して、作成した仮想ドライブを選択すると、辞書名が表示され、「追加」すると使えるようになります。 

 

 今回はあくまで実験的にやったので、1つの仮想CDドライブに1つの辞書タイトルしか入れていません。こんな情報を参考にCATALOGSファイルをきちんと編集すれば、複数の辞書タイトルを1つのISOイメージに変換しても認識すると思います(実際には試していません)。 

 

 この方法でEPWINGの辞書は読めるようになりましたが、最初に書いたように表示がイマイチでした。

ただし、前述のようにもともとLogoVista版だったデータをEPWINGに変換したデータでしか試していないうえ、「ジーニアス英和大辞典」と「リーダーズ第3版」しか試してないので、この方法が実用的かどうかはまだなんとも言えません。EPWING版の正規CD-ROMから抜いたデータをお持ちの方や他のタイトルだとうまくいくかもしれません。  


 

LogoVistaがEPWINGの過去資産をHDDに入れたまま活かせるようなブラウザを提供してくれれば、こんな苦労をすることはないんですけどね。  

 

LogoVistaとしても、自社のデータを他のブラウザで使われたり、EPWINGに勝手に変換されたりすることは不本意でしょうから(だからこそ近年暗号化するようになったはず)、EPWINGと共存する方法を積極的に採用して欲しいものです。過去のEPWING資産が無駄になる心配がなくなり、1つのブラウザで見られるとなれば、「新しい辞書はLogoVistaを購入するか」というユーザーも増えるかもしれません(ただし公式辞典ブラウザの使い勝手がもう少し良くなれば…という条件付きですが)。 

 

 もし追加情報があれば書くつもりではいるものの、私の結論は「複数辞書をISOイメージにするためのCATALOGSファイルの編集が面倒」、「ちゃんと表示されるか確認が面倒」、「LogoVista専用辞典ブラウザより使い勝手の良い辞書ブラウザを使いたい」、そして何より「串刺し検索ができない!」という理由で、この案件はこれ以上深追いしないつもりでおります。今のところ、辞書ブラウザ2つを立ち上げておく手間の方がマシかな…と考えています。

 

--追記--

その後、対応しているフォーマットが多いという理由でLogophileをメインの辞書ブラウザとして使うことに決めたので EBWin4をメインの辞書として使うことにしました。EBWin4にはWEB検索機能があり、串刺し検索の問題は解決しませんが、少なくともブラウザを複数立ち上げておく問題からは解放されることが分かったためです。
よって、Logovistaの専用ブラウザを今後いじる機会はなくなり、この件はこれ以上進展しないと思われます。